Citrix Cloudは2017年のデビュー以来、Citrix DaaSとして仮想デスクトップ・アプリケーションサービスを提供し、お客様の毎日の業務を支えています。
Citrix Cloudではこの度、アカウントとシステムを紐づけて固有環境を構築するための、一番基本的な仕組みが更新され、大きなマイルストーンを通過しました。お客様のクラウド環境が一層合理的、効率的に運用できるようになりました。

Org IDにつき1テナントの壁
これまで、お客様はひとつのOrg IDにつきひとつのCitrix Cloudアカウントとテナント(Citrix Cloudの利用単位、実際のワークロードVMを展開する環境)しか持つことができず、大きな課題でした。なぜなら、1企業につきひとつのOrg IDが基本ですが、現実には複数の、場合によってはかなりたくさんのIDが付与されるケースがあるからです。つまり、同じ企業において複数IDとともに複数テナントが用意され、これが煩雑な管理のみならず無駄なリソース消費、Citrix利用状況一元把握が困難、またユーザーエクエスペリエンス低下につながりました。
複数テナントが必要と言われるケースには以下の要件があり、一概に否定できないものもあります。

・テスト環境と本番稼働環境を分けたい(稼働後も、テスト環境を保守・障害発生時の対応に維持したい)
・地域ごと、または業務ごとに分けたい
・オペレーションのキャパシティによって分けたい
・SIパートナーが複数顧客用に、それぞれテスト、本番環境を用意したい
・データレジデンシー対応


解決は1IDに複数テナント
Citrixは、メインのOrg IDに対して追加のクラウドテナントをプロビジョニングできるようにすることで、この課題に対処します。複数テナントが必要な要件に応えながら、運用管理が劇的に向上します。
このソリューションを適用できるのは、一定以上の規模を展開するお客様となります。具体的な規模(保有ライセンス数)と追加テナント数は、以下を参照してください。

お客様の保有ライセンス数(U/DまたはCCU) 追加できるテナント数 合計テナント数
0 – 9,999 0 1
10,000 – 19,999 1 2
20,000 – 49,999 3 4
50,000以上 4 5

* 10,000ライセンス未満のお客様で複数テナントが必要なケースは、シトリックス営業までご相談ください。

My Accountにログイン後、テナントを追加作成しますが、セルフサービスで完了します。テナント作成後に、保有ライセンスプールから必要分のライセンスを適用してください。手順が不明であれば、シトリックスのカスタマーサービスへお問い合わせください。

クラウドタイプも管理者が指定
日本リージョンに完全に閉じた運用が必要なお客様は、専用SKUを購入して日本リージョン所在のCitrix Cloudコントロールプレーンを利用していただきました。2024年3月からは専用SKUがなくなり一部には戸惑いがありましたが、この度の更新でCitrix Cloudオンボーディングプロセスにクラウドタイプ(コントロールプレーン)の指定(**)も組み込まれました。つまり、管理者が自らクラウドアカウントを作成し、クラウドタイプとしてJapanを指定できるようになりました。詳細な手順はこちらを参照してください。
** クラウドタイプには、Japan, Commercial, Governmentがありますが、日本のお客様はJapanまたはCommercialが利用可能です。

 
更に便利に、シンプルに
シトリックスはお客様のニーズを常に収集し、評価しており、その内容を製品機能に反映させる努力を継続しています。
この度、Org IDに対して複数テナントをセルフプロビジョニングすることが可能になりした。この利便性をすぐにでも体験してください。
今後、クラウド環境を更に効率的に運用し、シンプルでセルフサービス可能な範囲を段階的に拡大する予定です。ご期待ください!