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Azure Virtual Desktopに対するCitrixのコアバリュー ~パート1~

DXの推進とコモディティ化するVDIへの対応

経産省によればITの人材不足や旧来のシステムがネックとなり、2025年から30年までに、年間で最大約12兆円の経済的な損失が生じる可能性があるといっています。DXを推進することができれば、2030年で約130兆円のGNP上乗せが期待できるともいわれています。

パンデミックによるロックダウンの影響で多くの企業が打撃を受けました。その中でも飲食業も深刻な打撃を受けた業界の一つですが、アメリカの企業をみると、これまでDXをすすめデジタル技術を活用し、組織やビジネスモデルを変革し続けてきた企業は、このような状況にも素早く対応し業績を維持、拡大してきました。

また世界的に展開する、有名なアメリカのカフェチェーンの創業者は後任のCEOに、「コーヒーの専門家」ではなく、世界的なIT企業のエンジニア出身の人物を任命しています。今後の企業成長戦略にとって、いかにテクノロジーが重要なのかが伺え知れます。

コモディティ化しつつあるVDIに対しても、ITの人的リソースやコストをできるだけ抑え、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)に多くの資源を投入することは重要です。既存のVDIのクラウドやDaaSへの移行はその転換点になります。

このシリーズでは、Cloud VDIの代名詞でもあるMicrosoft Azure Virtual Desktop(以下Azure Virtual Desktop)に対するCitrixのコアバリューを紹介してゆきます。

Azure Virtual Desktopに対するCitrixのコアバリューは大きく5つあります。

Part1ではITコストの削減、ユーザーエクスペリエンス向上の観点で、Azure Virtual Desktopに対するバリューの一つであるCitrix Workspace Environment Management Serviceを紹介します。

特に大規模なCloud VDIプロジェクトにおいて、リソースを最大限に活用することが重要です。言い換えると、仮想アプリとデスクトップのワークロードの場合、できるだけコンピューティングコストを抑えながら、最高のユーザーエクスペリエンスを提供することを意味します。

これは従来のオンプレミス環境に当てはまりますが、特に従量課金型のパブリッククラウド環境ではユーザーの集約度を上げるためのソリューションや垂直型の負荷分散運用は重要ポイントです。

Citrix Workspace Environment Management Service(以下WEM)はその為のCitrixソリューションの一つです。

言い換えれば、WEMを使用すれば、従業員の生産性を向上し、不要な追加ITリソースに対するコストを削減できる可能性があります。

WEMは、Windowsアプリとデスクトップセッションの動作を完全に御してVDIのリソースをインテリジェントに最適化するソリューションです。

WEMに対して、弊社のエンジニアリングチームがさまざまなAzure VMインスタンスタイプを用い、その導入効果をテストしました。

マルチセッションのスケーラビリティと信頼性の向上

Azure上でWindows ServerやWindows10 Enterpriseマルチセッションなどのマルチセッションホストを操作する場合、1仮想マシン当たりのユーザー集約度の向上や安定性を維持するために他のユーザーとの適切なリソース配分が最適化のキーになります。

例えばセッション間で他のユーザーのパフォーマンスに影響を与える程のCPUリソースを集中的に使用するアプリを実行しているユーザーがいるような場合、このようなCPU動作は適切に制御されなければなりません。

WEMにはCPUを最適化の為の機能が実装されています。

WEMのCPU最適化関する設定の中で、以下の3つの設定は最適化を有効にする為の基本設定になります。

環境に応じて後で更に細かいパラメーターが微調整できる点もポイントです。その際にCitrix Analytics for Performanceを使用して、ユーザーのパフォーマンスを客観的に評価し、最適化に役立てるのに有用です。

結果

これらのオプションを設定すると、複数のアプリケーションを同時に利用するようなナレッジワーカを想定した場合、ユーザーの集約度が15%以上高まる可能性があります。つまり、クラウドコンピューティングの費用を15%以上節約することができる結果になりました。

更にCPUスパイクが多数発生するような状況では、節約額はさらに大きくなる可能性があり、テストでは54%以上の増加が観察されました。

WEMはスケーラビリティの向上に加えてユーザーなエクスペリエンス維持します。

遅延も、全体的なユーザーエクスペリエンスに直接影響するため、テストされました。ここでは、具体的なメリットも確認​​できます。サーバーの負荷が大きい場合にICAやRDPなどのレスポンスタイムに影響します。これはネットワーク遅延とは異なります。例えばユーザーが仮想デスクトップ上のアプリに文字を入力したとしますが、そのキーボード情報が送信され、ホスト側で処理、描画された表示情報がユーザー側の端末に戻ってくるレスポンスタイムと思うと分かり易いと思います。

ログオンエクスペリエンスの改善

ユーザーが最初に仮想アプリまたはデスクトップを起動するのにかかる時間は、ユーザーエクスペリエンスの重要な指標です。WEMは、このログオン時間の向上をもたらすことができます。WEMの他にCitrixには、瞬時に起動できるようにする、セッションの事前起動機能や残留セッション機能も用意されています。ログオンのブートストームを緩和したり、頻繁に立ち上げる仮想アプリケーションインスタンスの起動レスポンスも改善します。

ログオンエクスペリエンス改善の為の構成

以下はユーザーのログオン時間を最適化するための基本構成です。

結果

上記の基本背的な設定だけでもログオン時間を60%以上短縮する結果となりました。

さらに、GPOタスクをWEM移行するとと、ログオン時間がさらに50%以上短縮されました。注意)GPOの構成にもよって異なります。

WEMのログオンプロセスに対する効果はCitrix Directorコンソールからも確認できます。Director上からWindowsログオンのメトリックを確認することができます。

Directorの詳細については、以下のビデオをご覧ください。

今日からWEMを始めましょう

WEMはCitrix Virtual Apps and Desktopの上位エディションにバンドルされており、Citrix Cloudからサービス提供されていま構築は不要、すぐにご利用頂けます。

WEMに関する要件等は技術情報は下記のサイトをご覧ください。

Reference Architecture for Citrix Workspace Environment Management Service


ヒント

本テストはLoginVSIによるベンチマークを行いました。より正確に導入効果を測定には、標準のテストテンプレートの他にユーザーの利用実態に合わせたテストスクリプトを作成、使用することをお勧めします。

LoginVSI はLogin VSI, Inc.の商標です。

まとめ

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