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Citrix Virtual Apps and Desktopsで Windows Inkのリダイレクションが可能になりました

はじめまして。金融業界向けのSEを担当している國分と申します。

2019年3月にCitrix Virtual Apps and Desktops 7.1903をリリースし、このバージョンに「Windows Ink」対応のアプリケーションをサポートする新機能が追加されました。これは、より安全かつシンプルなペーパーレス業務を実現可能とするものであり、金融業界をはじめ、様々な業務への貢献(働き方改革も)が期待できる機能であるため、少々解説させていただきます。

近年は金融業界においては長引く低金利などの理由と、取り扱える金融商品の増加により渉外業務(社外での販売業務)が盛んに行われており、業務のペーパーレス化により、生命保険の募集や金融商品販売、各種手続きなどをタブレット上で行うケースが増えております。

このようなペーパーレス化された業務の安全性を高める基盤として大きな貢献を果たしているのが、Citrix Virtual Apps and Desktopsです。この製品は端末上には一切情報を持つことなく、データセンターで稼働する契約アプリケーションなどを遠隔操作することにより、お客様契約に付帯する様々な情報を安全に保護します。

しかし、これまではタブレット画面に対するペンの筆圧などの情報を仮想側に送信できなかったため、契約者本人であることの証跡が求められる契約業務などはクレジットカード決済などの署名に使用されるサインパッドを持参し、USBデバイスとして仮想アプリケーション側に認識させて署名データを取得する対応が必要でした。ただ、サインパッドは外付けデバイスであり、常に紛失や落下破損の問題がつきまとっていました。


この問題を解決するのが、2019年3月にCitrix Virtual Apps and Desktopsに追加したWindows Inkのリダイレクト機能であり、「Microsoft Surface Pro」および「Surface Book」などに代表されるWindows Inkが利用できるWindowsタブレットで利用可能です。これは日本国内の複数のお客様から頂いたご要望をもとに、マイクロソフト社様にも新APIの準備などのご協力を頂き、標準機能として実装した日本発の機能です。

この機能により、タブレット画面に直接書いたペン操作情報をWindows Ink機能を経由して、仮想アプリケーション・デスクトップ環境に転送することが可能になります。Windows Inkに対応したWindowsタブレットであれば幅広い機器で利用することができ、外付けのサインパッドも不要となり、契約などに必要な証跡の筆跡情報を社外で安全に取得できるようになります。これまで以上に、安全かつシンプルなペーパーレス化が可能になります。

さらに、ペンとタッチ操作の識別が行えるようになりますので、年配の方に多いようですが、紙のようにタブレット画面に手をついてサインを行えるようになります。

蛇足ですが、XenDesktop7.5以降では物理端末のGPS情報や端末のカメラを仮想アプリケーション側にリダイレクトする機能が利用できますので、下図のようにサインした場所や本人確認書類を契約書に合わせて埋め込むことで更に有効性を補強する方法も採ることができます。

このように、Citrixは今後も安全で利便性の高い技術基盤の提供を通じて、金融業界をはじめ、皆様の働き方改革の推進とビジネス課題解決に貢献して参ります。

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