2月23日に本社製品部門のAllen FurmanskiがポストしたXenApp & XenDesktop 7.13に関するブログ「Kickoff 2017 with XenApp & XenDesktop 7.13」を、日本語で紹介します。
2016年に弊社は、多くの革新的な機能拡張を含むXenAppおよびXenDesktopのカレントリリース(CR)を4つ(四半期に1つずつ)提供しました。そして今回、2017年最初のリリース、XenApp & XenDesktop 7.13の提供を開始しました。
XenApp & XenDesktop 7.13は、業界トップクラスのHDXユーザーエクスペリエンステクノロジーを拡張しているほか、管理エクスペリエンスの簡素化を実現しています。
本リリースは、HDXに対する大幅な拡張において重要な節目を示すものです。新しいAdaptive Transport テクノロジーにより、ユーザーは、厳しいネットワーク条件下であっても、最大10倍も高速で応答の早いセッションを利用できるようになります。また、デフォルトのグラフィックス設定を使用することで、全体的な帯域幅消費量を最大60%まで削減できます。さらに、Intelのグラフィックスプラットフォーム上で実行する場合のパフォーマンスとスケーラビリティが改善されます。また、USB描画タブレット統合機能の拡張により新しい可能性を切り開きます。管理者のメリットとしては、NetScaler Gatewayのセットアップを簡素化でき、非アクティブなセッションの特定を容易にします。また、Linux拡張サポートなどもメリットとして挙げられます。
デバイス、ネットワーク、場所にかかわらず可能な限り最良のエクスペリエンスを提供
最大で10倍高速な高パフォーマンスのアダプティブユーザーセッションを実現
以前プレビュー版として提供されていた新しいHDX Adaptive Transport テクノロジーが、今回、標準機能として提供されました。このテクノロジーは、ネットワークの状態、LAN、高レイテンシ―のWANにかかわらず、可能な限り最良のエクスペリエンスをユーザーに提供するために設計された画期的なイノベーションです。あらゆる仮想チャネルを通じてパフォーマンスの改善が実現されており、これには、ファイル転送高速化(最大10倍)、印刷時間の短縮(最大で5分の1)、セッション応答時間の短縮(最大で2分の1)をはじめ、オーディオ/ビデオの改善が含まれています。Adaptive Transportは、新しいCitrixのプロトコルであるEnlightened Data Transport(EDT)を使用します。EDTは、変動するユーザー条件に対して自動的に適応することで、業界最高クラスのユーザーエクスペリエンスをさらに改善するほか、必要となる管理上の設定を最小化します。
セッション帯域幅消費量を最大で60%削減
これまで、本機能に関するお知らせを弊社のエンジニアリングチームよりご案内していましたが、今回製品版として提供されることになります。HDX Thinwireの画面転送機能におけるグラフィックス効率性が大幅に改善されており、これにより帯域幅消費コストを削減できます。また、既存のネットワークリンク上でより多くのユーザーをサポートすることや、全体的なサーバースケーラビリティを改善することが可能です。7.13へと移行するだけで、これらの機能が有効となり、ポリシー設定の変更は一切不要です。また、これらの優れた機能は旧バージョンのReceiverでも利用できるため、Receiverをすぐにアップグレードする必要はありません。
VMパフォーマンスの改善とストリーミング帯域幅量の削減
今回、XenServer 7.1において、Provisioning Services (PVS) 7.13およびXenApp & XenDesktop 7.13と同じく、ハイパーバイザーホスト上でのストリーミングされたVMデータのキャッシングが可能となりました。このキャッシュ機能により、VMのパフォーマンスを大幅に改善することが可能であり、特に大規模環境ではブート時間を最大25%短縮できます。また、これによりネットワーク帯域消費量を削減できるほか、PVSサーバー上でのリソースを90%以上も節約できます。
AMD GPUを使用してVDIでハイエンドのプロフェッショナル向けグラフィックスを実現
AMD GPUを使用した高性能のVDIデスクトップを提供できます。シトリックスはCitrix HDX 3D ProとAMD GPUを連携することにより、優れたパフォーマンスを魅力的な価格で提供しています。これは、複雑なモデルやシミュレーション、またはグラフィカルなWebベースのアプリケーションを使って作業するデザイナーやエンジニアにとって理想的なソリューションであり、データはデータセンター内で安全に保管され、ユーザーは各自が選択したデバイス上で高いパフォーマンスを確保できます。
Intel Iris Proグラフィックスによりパフォーマンスとスケーラビリティを改善
CPUを多用するH.264エンコーディング処理をIntel Iris Proグラフィックスハードウェアへとオフローディングすることで、パフォーマンスを改善し、環境におけるキャパシティを拡張します。シトリックスポリシーの選択的なH.264グラフィックス適用の設定と組み合わせて使用することにより、ユーザーはよりスムーズなビデオ再生が可能となり、管理者は既存のハードウェア上でサーバースケーラビリティおよびユーザー密度の改善を実現できます。
公開済みのLinuxアプリケーションをあらゆるデバイス上のユーザーにシームレスに配信可能
管理者は、Linuxアプリケーションを公開した後、同アプリケーションを、Windows、Mac、Linux、iOS、およびAndroidの各エンドポイントデバイスに対して、統合された方法でシームレスに配信できるようになりました。Linuxプラットフォームは、アプリケーションデリバリーにおける選択可能性、柔軟性、コスト削減を組織に提供しますが、本リリースのXenAppを使用することで、ユーザーは、どこからでもLinuxアプリケーションに対する高パフォーマンスのアクセスがシームレスに行えるようになります。
描画タブレットに特化した拡張サポートをXenAppで提供
XenAppセッション内での USBデバイスのサポートがさらに拡張されています。今回、署名キャプチャのようなマウス機能を利用する描画タブレットを、以前から利用可能であったXenDesktop VDIセッションに加え、XenAppセッションでも利用できるようになりました。XenApp
管理エクスペリエンスの改善により、セットアップ、設定、保守が容易
StoreFrontへの直接的なシングルサインオンアクセスにより認証プロセスを簡素化
任意のIDプロバイダー(MicrosoftやサードパーティのIDプロバイダーを含む)からのStoreFrontへのシングルサインオンを可能にすることにより、認証エクスペリエンスを簡素化しています。StoreFrontへのシングルサインオンSAML認証は、内部アクセスシナリオや、Citrix Cloudを使用した外部StoreFrontインスタンスにとっても最適です。
非アクティブなセッションの数を最小化することでリソース使用量を最適化
実行されてはいるが(アイドリング中かまたはハングしているために)実際には使用されていない公開済みアプリケーションは、環境リソースとライセンスを無駄に消費します。Citrix Directorでは、このような状態にあるアプリケーションセッションを簡単に特定した後、ログオフや切断などの措置を取ることにより、そのようなセッションの数を最小化できます。この結果、それらのセッションが余分に使用していたリソースを解放できるようになります。この機能は、交代制の業務で匿名セッションが一般的に使用されるような医療関係の業種にとって特に役立ちます。このような業種では、ライセンス利用を最適化するために、非アクティブな状態にある使用されていないセッションの数を最小化する必要があります。
複数のNetScaler Gateway導入、セットアップを合理化
複数のNetScaler Gatewayを使用している環境において、セットアップ時間を短縮し、設定エラーが起きる可能性を削減できます。ひとたび、追加のNetScaler Gatewayの設定が完了すれば、詳細情報をファイルにエクスポートした後、StoreFront内で同ファイルを簡単に直接インポートすることができます。これにより、通常NetScalerを管理するネットワーキングチームと、StoreFrontを管理するアプリケーションデリバリーチームとの間での管理業務の引継ぎを簡素化できます。
改善されたVDA登録によりネットワークやインフラストラクチャへの影響を軽減
ユーザーの接続先となるすべてのVDAマシン(サーバーとデスクトップの両方)は、利用できるようにするため初期設定およびリブート時にデリバリーコントローラーへの登録を行う必要があります。また、VDAとコントローラー間では、ログオンなどのイベント時に発生する定期的な通信が存在します。登録および通信プロセスは、特に膨大な数のVDAを同時に登録する場合(シフト交代時など)や、クラウドおよびオンプレミスのデリバリーコントローラーでVDAを使用するハイブリッド環境において、インフラストラクチャへの影響を最小化するように最適化されています。
Provisioning ServicesでLinuxサーバーVDAの処理が可能
Provisioning Servicesを使用して、Linuxサーバーのストリーミングが行えるようになりました。数百台ものLinuxサーバーマシンを共通のイメージファイルに基づいて素早く容易にプロビジョニングすることで、Linuxのイメージ管理を簡素化し、スケーラビリティに関するニーズを満たすことができます。すべてのProvisioning Servicesイメージを使用することで、必要に応じてライフサイクルを長期間管理できるようになるため、最適な柔軟性を提供できます。
すべてのXenAppおよびXenDesktopのお客様がXenServerの全機能を利用可能
XenAppまたはXenDesktopをご利用のお客様は、最新のXenServer 7.1 Enterpriseリリースが提供するすべての機能を利用できるようになりました。 また、XenServer 7.1は、ハイパーバイザとしては初の長期サービスリリース(LTSR)対応版であり、XenAppおよびXenDesktopの次期リリースと歩調を合わせた 5年間に及ぶ保守と5年間の延長サポートを顧客に提供します。XenServerがアプリケーションおよびデスクトップのデリバリーワークロードを実行するための最良のプラットフォームである理由、およびそれが高額な「vTax」コストを一掃できることを、ぜひご自身の目でお確かめください。
Smart Toolsを使用して最新の状態に維持
すべてのXenAppおよびXenDesktopのお客様は、最新のサービスであるSmart Checkを含むSmart Toolsにアクセスできます。Smart Checkは、定期的に診断を実施することで、エンドユーザーに影響を及ぼす前に問題を修復します。新規追加されたチェックは、長期サービスリリース(LTSR)の準拠をサポートしています。XenApp & XenDesktop Platinumのお客様はSmart Scaleにアクセスできるため、パブリッククラウドでの導入コストを削減できます。また、本リリースでは、XenApp Essentialsのサポートが新たに追加されています。Smart Toolsはsmart.cloud.comで提供されます。
セッションレコーディング導入環境向けの新しい高可用性オプション(Platinumのみ)
新しいデータベース高可用性オプションを使用することで、セッションレコーディング導入環境の稼働時間を最大化できます。SQL AlwaysOn 可用性グループやデータベース監視機能が利用できるようになったほか、組織の命名ルールなどの必要に応じてデータベース名を設定できるようになりました。
互換性や相互運用性に関して、アプリケーションを分析する際にかかる時間を短縮(Platinumのみ)
シトリックスによるUnidesk社の買収について
シトリックスは1月に、Unidesk社の買収を発表しました。Unidesk社は、レイヤリングと呼ばれる画期的なWindowsアプリケーションのパッケージングおよび管理テクノロジーを開発した企業です。アプリケーションレイヤリングは、オペレーティングシステムからアプリケーションを分離する最も優れた方法として登場し、アプリケーションを一度の管理であらゆるエンドユーザー コンピューティング ソリューションから任意のデバイスに配信できるようにします。UnideskレイヤリングテクノロジーのXenAppおよびXenDesktopへの統合実装は、これから積極的に進めていきます。今後の情報にご注目ください。
今すぐXenApp & XenDesktop 7.13のメリットを!
即座に利用できるユーザーエクスペリエンスおよび管理エクスペリエンスの目に見える形での改善、パフォーマンスおよびスケーラビリティの改善、およびその他多くの改善の結果としてもたらされる設備費と運営費の削減、これらのメリットをXenApp & XenDesktop 7.13は提供します。今すぐ利用を開始して、これらの価値を体感してください。2017年2月15日の時点で有効なCitrix Success Services(旧ソフトウェアメンテナンス)を保有しているお客様の場合、今すぐXenApp & XenDesktop 7.13をダウンロードすることをお勧めします。また、Smart Toolsを使うことで、以前の7.xバージョンからの直接アップグレードや、XenApp 6.5またはVMware Horizonからの移行が簡単に行えます。